【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~



そう思った時だった


「左手首のブレスレット…


コイツ、今噂のやつか………?」


「あ!確かにコイツっぽい。


…寝てんのか?」


まじかよ…。心の中で呟く


ただでさえ今メンタルやばいのに…


相手は2人か、それ以上。本当に今日はついてない


…どうするか


戦う?逃げる?


目を閉じたまま頭の中でごちゃごちゃ考えているけどわからない


「どーするよ?拾うか?


欲しいっつってたよな


…って、おい!聞いてんのかよ


















こうが」




…こうが?


紅雅がそこにいるの…?


「こうが?おーい、大丈夫か?」


しかし


こうがと呼ばれる人は何も答えない


同じ名前なだけか、そう思った


だけど…





















「くれ、あ…?」


頭の上から聞こえた声は


驚いたような戸惑うような声だけど




紛れもなく


紅雅の


声だった…


もう、喧嘩とかそんなことは考えられなかった


反射的にパッと顔を上げると


「紅…雅…っ!」




そこにいたのは














私の兄だった。


すぐさま立ち上がり


ぎゅーと抱きつく


「紅愛…っ…」


紅雅も背中に手を回して抱きしめてくれた


まるで、空いてしまった時間を埋めるように


今度は失わなかった


たった一人の大切な家族だから…







「あ、あ…のさ?どういうい状況なのか説明して欲しいな…なんて」


暫く再会を噛み締めていると


恐る恐ると言ったようにお仲間さん?が話しかけてきた


「あー、そうだな」


と、思い出したように言う紅雅


いきなり温もりが無くなり寂しくなるのは


やはりそれだけ私が紅雅に依存してるってことなのだろうか



でも、そんな私の心情を見透かしたのか


紅雅はポンと私の頭に手を置いて微笑む


「こいつ、俺の妹の紅愛。年は2こ違いなんだ」


「へ?妹?彼女じゃねーの?」


「はぁ?馬鹿じゃねーの」


「いや、小学生に見えねーよ!」


パッ!とさされる指にびくっと肩を揺らす


私そんな変なのかな…?


「大人っぽいだけだ。」


「ふーん。まぁ兄弟似てていいけどよ、


小学生がこんな夜中になにしてんだよ?」


あぁ、そういえば、という顔で私に視線が集まる


「………………」


全てを話すべきか、はぐらかすべきか


「この男達をやったのもお前じゃねーの?」


「………………」


何も答えられない


「…何かあるんだな


紅愛、倉庫にいくぞ」