「紅雅。あなた前回のテストより12点落ちてるわよ」


「紅雅、夏休みはアメリカで留学だ」


「2位と10点しか差が無い


妹の方は出来が悪いな


本当に兄弟か?」


「あら。いたの?


いてもかわないけど紅雅の邪魔はしないでね」



出来のいい紅雅と出来の悪い私


その差は、態度で表れて。


お母様とお父様は徹底的に私と紅雅を比べた


だけど紅雅は…


私を比べたりなんかしなかった


「今回もトップか!偉いな〜」


そう言って頭を撫でて笑ってくれたの


たとえ自分がどんなに辛くても…


でも遊ぶことも許されない勉強漬けの毎日


厳しい親の言葉に耐え続けて。


「俺は絶対紅愛を跡継ぎになんてさせない」


いつか、そんな言葉をかけてくれたね


私を会社の跡継ぎにしないために


我慢して我慢して、必死で頑張ってくれた


でもそんな毎日に耐えかねた紅雅はある日





"喧嘩"


を始めた


親が寝静まった真夜中にこっそり部屋を抜け出して


繁華街に繰り出す


それが、紅雅のストレスの発散だった


元々運動神経の良かったからどんどん強くなって


ついに、県NO.1に登り詰めた


その中で紅雅に惹かれ着いてきた仲間を交え


舞龍ーmairyuー


という暴走族の総長になったーーー






私は親が仕事に行っている間


たくさん色々な話を聞いた


今日はどんな相手と拳を交えた、とか


メンバーとどんなことをしたとか


舞龍の事を話す紅雅は凄く楽しそうで


キラキラしてた