前にも言った通り私の家族は凄く仲が良かったの


昔の事だからあまり記憶が濃いわけでもないけど


「ただいまー」


「あ、おかえりなさい!」


パパの声が聞こえると嬉しそうに玄関にかけよるママ


こっそり覗きこむとチュッとキスしてるところで


「ママとパパらぶらぶだぁ〜」


「ね〜」


子供ながらにそんな光景をニコニコしながら見つめてた


だけど。






あの日事件は起こった


12月25日、私の誕生日に。





「ママ…パパ…」


「大丈夫だよ」



外で物が壊れる音や怒号が飛ぶ中


震える私を抱きしめ紅雅が呟くように言う


何度も何度も、大丈夫って。


でも少しして外の音が全く聞こえなくなると


私達は凄い不安に襲われた


ママとパパが心配でしょうがなかったんだ…


だから


ギギィィ…


扉を開いてしまった


約束を破ることだとわかっていたのに












自分達が行って何ができるか?


なんて、わからなかった
















「紅雅!紅愛!」



ただ、子供だったんだ



「ママァ!パパァ!」


言いつけを守れないくらい幼かった


「やめて!子供達には手を出さないで!」


だけど私達は確実に


「はぁ…大人しく石を出せばいいものを


残念。交渉失敗」




ママとパパを殺してしまった





…確かに生きているかもしれない


だけど


大事な時間をめちゃくちゃにした



















その日から私達を取り巻く環境はめまぐるしく変わって行った