「はぁー?仲間?笑わせないでよ~」


あれから1週間


何度この言葉を相手にぶつけただろう


「裏切り者!


お前なんか…死ね…!」


そんな言葉を何度浴びせられただろう


この顔を使って他の族に潜り込んで


内部から崩壊させる


そうやって族や組を確実に潰した


もうそれは罪悪感なんて1ミリもわかないほど


本当にたくさん



その度に軽蔑されて憎まれた


でも、それももう終わり



私は明日




夜影を潰す



…もう全部、終わらせるんだ


この苦しいとさえ感じなくなった毎日と


輝や蒼桜の皆に会いたいと願う心も


アレクトの皆や夜影に縛られてる人達も


…全部











私は自室のバルコニーから夜空を眺めていた


ここはあまり光がないから星がよく見えるんだ


星は私達を守って…か…


いつか言われた言葉を思い出す


確かに守られてたのかも…ね














星になった、兄。




紅雅ーkougaーに










少し、私の話をするね


これは私が忘れていた全ての記憶







私、西条…いや、結城 紅愛には


結城 紅雅ーkougaーという兄がいた


年は2つ上


黒に少しだけ茶色が混ざった髪


整った顔立ち


高めの身長


優しい性格


…非の打ち所がない、そんな人だった


私達は本当に仲のいい兄弟だったの


まるで友達みたいな





でも…



私の思い出した記憶の中では


紅雅だけが全て消えていた


綺麗さっぱり


全て



その理由は…1から説明することにしよう