【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~

本当に手のかかる奴だ


ベッドにオバサンを横たえた


その時


「翔、夜影が姿を表した西の方角」


ヒロさんからの連絡が入った


俺は急いで階段を駆け上がりヒロさんと合流する


「よぉ、どうだった、あのおばさん」


ヒロさんはニヤリと笑う


…こいつ、仕組んだな


直感でそう思う


「少し手を焼きましたがなんとか」


そう言うと


ぶはっ!と吹き出すヒロさんを呆れながら見る


「それで…夜影はどこに?」


俺が聴くといきなり真顔になるヒロさん


これは…仕事のスイッチが入った時だ


「あそこだ」


指さされた方向に目を向けると



「…新しい隊?」


「お見事。今まで見た事ねえ隊だ


どう来るかわからん



それに、真ん中……………………」











「あの姿はカンザキだ」




カンザキ…?




「カンザキって2年前に姿を消したあの?」


「ああ」


ヒロさんは深刻そうに頷く




夜影の最高戦力


コードネーム、カンザキ


美しい容姿に悪魔のような心を持った女


その素顔は謎に包まれているが


カンザキは周りから恐れられる最強の人拐い


技術と頭脳は殺し屋おもはるかに上回る力を持つ





…しかし、カンザキは2年前のある日


忽然と姿を消した


それからカンザキを見たものはいない


なのになぜ今頃…?




「でもカンザキはソロでは?」


俺の問い掛けにヒロさんも首を傾げる


「夜影には謎が多すぎる


でもあれはカンザキだ、ほら見てみろ」


そう言って手渡されたのは望遠鏡


覗いてみると


第二ボタンまであけられた黒のワイシャツに


緩く結んである赤いネクタイ


黒のパーカー、スカート、靴


背中にかけている日本刀は


黒に赤のラインが入った鞘に入っている


銀色の仮面をつけフードをかぶっていた



その姿は確かにカンザキだ