【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~



そうだ、あの時


龍が裏路地で襲われたときだ


つまりあれは戦いたくてしょうがなかったってこと…


3年間蒼桜の総長として、夜影として戦った感覚は


たとえ記憶を無くしても血が覚えているほど染み付いている


きっともう、治らない癖だ










「両者、準備はいい?」


その声でふと我に返る


セイラを見てみると


しっかり銃を握り締め引き金を引いていた


…私をより一層強く睨みつけながら



私は軽く呼吸をすると刀を持ち直した


そして目を閉じる













私は…戦う










「それでは…はじめ!」


その瞬間


目を開き大量の殺気を放った


髪は揺れ、体が軽くなるのを感じる




0.1秒だろうか


セイラが一瞬ひるむ


その隙に地面を強く蹴りセイラに向かっていく


この世界では…この0.1秒ですら命取りだ



慌てて銃を構えなおすセイラだけど


もう間に合わない


ダン!と慌てて打たれる弾は私にあたる事は無い





シュッ…


私の刀はセイラの首をとらえた


弾を斬りながら来たから刀からは赤い塗料が流れ落ちている



本番は…この塗料は血に変わる


そして、セイラも死んでいた


ここはそういう世界



私はズルズルとしゃがみこむセイラを冷たく見下ろす


「この世界に長くいるから強いなんてことは無い


生き残った者が強い、それだけ」





私達は人を直接殺すことなんて無い


"人さらい"は人を誘拐する事を主な目的としているから


でも、それはあくまでターゲットはの話


護衛は容赦なく斬る


急所は外すけど生きてる保証なんてどこにもない


知らない内に、私は人を殺しているーー