「ほんとぉー?やったぁ!
じゃあー放課後、裏庭でぇ待ってるよー」
河西さんはそう言うとるんるんと走り去った
放課後
「あ、西条さぁ~ん」
裏庭に行くともう河西さんは来ていて
ひらひらと笑顔で手を振っていた
「それで、何を言えばいいの?」
そう聞くと
「ん~なんでもイイケド~
ズバズバ言っちゃって~」
…なにそのアバウトな説明は
まぁ、いっか
「も~すぐ来るからお願いねぇ~」
しばらく待っていると
「えっと…西条さん?」
現れたのは
「え…」
ケバいギャル
ではなくこの学校では少数の清楚系の子だった
あまりに予想と違っていて戸惑う
だけど、河西さんを見ると苛立ったように
"早くやれ"と目で訴えかけてくる
にわかに信じ難いけど…
やるしかない
私はその人に詰め寄った
「アナタ、河西さんをいじめてるの?」
「え…っと、はい」
認めた
あっさりしすぎていたけど認めてしまった
私はこの人を責めないと、だめなんだ
「じゃあ、やめてくれる?」
目を細め少し睨むと
「ひっ…!」
その人は驚いたように腰を抜かして座り込む
すかさず私は距離をつめ上から見下ろす
「もうしないと今すぐ誓って」
「い、いや…です」
「じゃないと…
私はあなたに手をあげるよ」
それは長い沈黙だった
「ど、いうことだよ…紅愛」
なんでだろう
ここにいるはずの無い人の声が聞こえる
だけど間違える事はない
「れ………ん…………?」
大切な仲間の声だから
振り返ると
驚いたように目を見開いている輝の幹部全員がいた
そう言えば河西さんはこの事バレたくなかったんだっけ
「河西さ…「ひどいよぉ!西条さん!」
河西さんの方を見て声をかけようとした私は
言葉を失った
なにが、ひどいの?
「アカリちゃんと私を苛めないで!」
河西さんは泣きながら崩れ落ちた
「え?何言ってるの?ちがっ…」
弁解しようとみんなの方を向く
だけど
「紅愛…」
みんなは眉をひそめて私を見ていた
どうして…
私を信じてくれないの?
私ってそれくらいの存在だったの?
わからない
「翔ちゃんっ」
そうこうしている内に河西さんは翔に抱きつく
翔は無表情で河西さんを見ていたけど
背中に…手を回した
その瞬間私の中の何かが崩れ落ちた

