【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~

その夜


「じゃあママに呼ばれたから帰るけど~


浮気しないでねぇ??」


河西さんはそう言って帰っていった


「やっと帰ったかあの女」


蓮がドアを睨みながら言う


「同感。けどその話は終わりだ」


ナギサが宥めるけど


私は透真が何も言わない事に違和感を覚えた


本人は窓際の椅子に座り本を読んでいる


優しい透真が見せる素っ気ない態度


…やっぱりあの話は本当なんだと実感する


「紅愛ちゃーーん」


ぎゅっ


声とお腹に回る感触にふと我に返る


「え、泉なに?」


「別にぃ~」


…何コイツ


ただのプレイボーイ?


じとーーという視線を送るけど


にひひと笑い返されるだけ


私は大きくため息をついた


その時


「チッ」


向かいの方から舌打ちが聞こえた


視線を向けると翔がいて


苛立ったように椅子から立つと部屋を出て行ってしまった


すると



くすくす、と隣から声がする


「なに笑ってるの?」


そう聞くと泉は上目遣いで私を見て


「翔って意外と子供だよなーって」


また笑った


「どういうこと?


…翔、なにに怒ってたの?」


さっぱり意味がわからない


「心配?」


「……………………まあ」


泉は何が言いたいんだろうか


「ならさ、翔の部屋に行ってみれば?」