18:30


そろそろ家を出るか…


少し厚めの上着を羽織って外に出る


最近は夜が少し冷え込むようになって


季節の変わり目を感じさせる


空を見上げると日が沈む少し前。


薄暗い中で奇妙な色をしていた


過去の事…輝のみんなに言わなきゃな


ふとそんな事が頭に浮かんだ




いや、今はシュウジの事を考えよう


フルフルと頭をふって歩きだした







「〇〇の裏路地ってここら辺だけど…」


時計を確認すると18時50分をさしていた


裏路地にシュウジはいない


人が全くいないから人間違えって事は無いんだろうけど…


ポケットに手を突っ込み壁に背中を預けて待っていると


「西条紅愛さん。お待たせしました」


いきなりそんな声が聞こえてハッとする


その人はいつの間にかこっちに向かって歩いてきている


全然、気づかなかった…


「あなたがシュウジ?」


私がそう聞くと私の前でピタッと止まるり


「はい。私が紅愛様にメールを送らせていただきました」


そう言った


…この人がシュウジ


シュウジは白髪に漆黒の色をした目


顔はとても整っている


そして、白いスーツ


年令は…25歳くらいだろうか


「私に何の用ですか?」


聞きたい事は山程ある。でもまずは用件を聞く


「立ち話はなんですのでお車に御案内します」


シュウジはニコリと笑うと来た道を戻って歩き出す


私もそのあとを追った







車まではそう遠くなかった


無言で後ろをついていくと見えたのは


黒い大きな車。


形は…リムジンみたいな感じ


シュウジは車のドアの横に立つと


黙ってドアを開けて私を見る


…乗れって事だよね


私は、ふぅと息を吐き出すとそのクルマに乗り込んだ


中にはやっぱりリムジンみたいな作りで


テーブル、ソファー、シャンデリアがあった




「紅愛様」


そう呼ばれてハッとする


気がつくとシュウジが向かいに乗っていてドアもしめられていた


「すみませんがこの後用事がありますゆえ


単刀直入に話させて頂きたいのですが…


よろしいですか?」


「あ、はい。どうぞ」


緊張が走る


「ありがとうございます」


シュウジはそこでいったん言葉を切ると


次にこう言ったんだ