【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~


「ふぅー!楽しかったな!」


「蓮うるさーい」


「はあ?なんでだよ!」


旅行も終わりを告げただ今車の中。


疲れを知らず蓮や泉は元気にはしゃいでいて


ナギサは安定の睡眠中。


透真は何やら仕事らしく別行動でいないし


翔は窓の所に肘を置き目をつぶって動かない


…死んでるわけじゃないんだよね、たぶん。


私はというとなんだか体が重くてイマイチなテンション


外を眺めてボーっとしている


「はぁ…」


無意識にため息がでる


すると


「おい」


隣…右横にいる翔の声がして振り向くと


「………っ!」


わわわ!


もちろん翔がいるんだけど


思ったより距離が近くてドキッとした


「な、なに?」


でも平然を装って首を傾げると


突然グイッ!と、もっと距離が近くなり


頬のあたりに温かい感触。


たぶん距離は20cmくらいしかなくて心臓が高鳴る


「お前、ちゃんと寝てるか」


翔はそう言って目の下を優しく撫でる


隈の、ことだよね…?


そういえば寝れてないかもしれない


目をつぶっても眠くなることも無いし


寝たとしても眠りは浅い。


「あー…ちょっと寝不足かな


全然大丈夫だけどね」


いつもと変わらない口調で言う


…てか今朝鏡を見たときは自分でもあんまり気にしなかったのに


なんで気づいたんだろう


ぽーっとしながら考えてると


「…いいから寝ろ」


いきなりその言葉とともに視界が揺れ


トン、となにかにぶつかる


…え、これ翔の肩…!?


つまり翔の肩に頭を乗せてるってこと


普通に恥ずかしいんだけど!



最近の翔はどことなく甘い


私が輝に入ったときと比べてかなり変わっていて


いちいちそれに反応してドキドキする私も私


「んもう…」


そう言いながら目をつぶると


翔の香りや温もり、車の揺れが心地よくなって





いつの間にか眠りに落ちていた