ピタ…


なんだろう


おでこに冷たい感覚がする


熱くオーバーヒートしてしまった頭には


すごく気持ちよくて


思わず頬を緩める






そしてまだ火照って熱の残る頬に


頬を包まれる冷たい感覚


おでこと同じように冷たくて気持ちいい


だけど、それは酷く安心した



この温もりは…なに…?










「んっ…」


ゆっくり意識が浮上して目を開く


まったく焦点が合わない目をパチパチさせながら周りを見回す


視線を右、…………左にうつすと



「…翔」


翔が私の頬に手を当てていた



「わるい、起こしたか?」



「ううん…大丈夫。



あ、ねぇ、今何時?」



「1時」



それって夜のだよね…?



「ごめんなさい…


私は大丈夫だからもう寝て…?」


私のために迷惑をかけたくない


翔は私なんかよりも沢山の物を抱えてるの


会って多くの時間は過ごしてないけど


近くにいたからわかるの


総長の事も輝の事もメンバーの事も…


翔は常にたくさんの事を考えてる



だから…私はほっといて大丈夫だよ




「あぁ。お前が寝たらな」



なんて、思ってたのに


その一言で頬の力が緩むのはなんでだろう?











…なんて、考えてもしょうがないよね


「うん。ありがとう」


私は少し笑って眠りについた


意識がなくなる寸前、翔が笑っているように見えたのは



気のせいじゃないと信じて………