『これが"西山くんにヤキモチ妬かせちゃおうぜ大作戦!"』
『この作戦の最終目的はただひとつ』
『西山くんの怒った顔も見てみたくない?なんていうかさ……嫉妬して怒るみたいな?』
それが、私と山城くんが手を組んだ最初の目的。
そうだ。そうだった、嫉妬して怒らせてみたいことが全ての始まりだったんだ。
そうして現に今、目の前の西山くんは嫉妬したと、妬いたと言ってくれた。
これは、作戦成功と言っても良いのだろうか。
「…………なに」
「えっ、あ、ごめん笑ってた?」
込み上げる歓喜の想いが顔に表情として表れていたらしい。
顔を顰めて機嫌を損ねた声を出す西山くん。
不機嫌だけれど怒ってはいないようで、そんな些細な違いに安堵する。
「ねね、西山くん。いつ嫉妬してくれたの?」
そう聞けば、あからさまに鬱陶しそうな顔を向けられたけれどめげない。
にへにへと笑いつつ同じ質問を何度も繰り返せば、そのうち諦めたように口を開く。
「…………昨日」
「え?昨日?」
昨日は言うほどのアクション起こしていなかったような気がするけれど。
頭の中で記憶を巡らせつつ、あるひとつの心当たりを見つけた。
「もしかして、お昼のとき、最初から起きてたの?」
「…………途中」
「……山城くんに、だ、だだ抱きしめられたとき、とか?」
言葉に突っかかりつつもそう問うと、西山くんが小さく頷く。
どうやら真由美達から責められていた時点ではまだ起きていなかったようだ。
「…………告白、されてた」
「あ、うんでもあれは山城くん迫真のえん、」
「…………凪。お願い」
作戦のことを白状してしまおうかと口を開いたところで、真剣な顔をした西山くんに途中で遮られた。
「わ、私に出来ることならなんなりとどうぞ!」
意気込んで頷き、言葉の先を待つ。頭を撫でる仕草を止め、西山くんの奥行き深い透明な双眸が真っ直ぐに見据えてくる。
「…………一度だけ、言うから」
「え?」
「…………全部頷いて」
「お、お安いご用!」

