「それはともかく、行って見ますか、屋上。」

と言って、アイツは階段を登り始める。

「えっ今?」

私はあわててあとを追う。

アイツは屋上の前の扉につくと、鍵穴に鍵をそっと差し込み、ゆっくりと回した。

カチリと小さな音がした。

「嘘、本当に開いちゃった!」

自分で鍵を用意したくせに、アイツは若干驚いていた。

「そりゃ開くだろう。」

「いや、なんていうか、こんなにあっさり開いちゃうとは…」

「ダメなのかよ。」

「もっと数多の困難を乗り越えて、みたいな方が良くない?」

「別に。」

まぁ、いいや。とアイツは呟いて、ゆっくりドアのぶを回して、扉を開ける。