「そんなものどうやって?」

ふっふっふ。とアイツは笑い。

「ねぇ、どうやったか知りたい?知りたい?」

「別に。てか顔近い。」

「そこまで言うなら、教えてあげようかなぁ。」

コイツ人の話聞いてんのか。

「この前体育館の鍵を事務室に返しに行ったとき、鍵の束に『屋上』って書いてある鍵を見つけましてね。ちょっと拝借して合鍵を作っちゃいました。」

「それって犯罪じゃない?」
「…大丈夫だよ。ちゃんと次の日には返したし。」

「よくばれなかったね。」

「だいぶスリリングでしたよ。」

「なんか、尊敬するわ。」

「マジで!?早香さんに尊敬されちゃうなんてな。いや、照れるなぁ。」

「前言撤回。」

「いや、ちょっと待って下さいよ。早香に褒められるなんて、超レアなことなんだから。」

「別に褒めてはないよ。」

尊敬するとは言ったけど。