「はーい、みんな静かにしましょう!今日からこのクラスに新しいお友達が来ることになりました。じゃ、京介くん。自己紹介して」




うっ!
いくら三回目とはいえ、やっぱりここに立つと緊張するな・・・




「えっと、松山の登米(とめ)小学校から来ました、藤原京介です。よろしくお願いします」




「あ!知っとる!!」




そう叫んだ一人の男子にぼくは、見覚えがあった。




「あっ・・・高瀬?」




たしか、同じ幼稚園の「高瀬 伸二(たかせ しんじ)」だ。




こいつとの思い出は、幼稚園の時に高瀬の作った粘土を壊したこと、泣かせたこと、お菓子を横取りしたこと、泣かせたこと。




あんまりいい思い出がない。




でも、これにはさすがに転校を三回も経験してるぼくでも驚きだ。
愛媛は狭い。




「なんや、なんや!?高瀬の知り合いかいな?」




「あ、うん!幼稚園の時、ね?」




そう言って高瀬が視線を送ってくる。




相変わらずだな、高瀬よ。




まあでも、そんな高瀬の存在もあって、ぼくはその日のうちにクラスに溶け込めるようになった。