「いやー、負けたわ」 高瀬まで寄ってきた。 「ま、でもギリギリやけど、おめでとう!」 スタート前と同様、手を差し伸べてきた。 俺は、今度はちゃんと手を取った。 スライディングして、手が汚れてはいたが、 それが理由じゃない。 決して。