「んー、ならヒント!ヒント頂戴!」




ヒントときたか。
ま、でも名前の最後の文字くらいは言ってもわからないだろう。




「そうやねー、名前に"こ"が付く人」




大島和彦の「こ」だ。
それにその「こ」の文字が名前のどの部分についているかは言っていない。
つまり、担任の雪石玲子先生も該当する。




「"こ"??んー、"こ"かあー」




真剣に悩んでいるようだ。
それを琴吹はただじっと見ている。
そもそも、こんなアホな奴のどこがいいんだろうか?
アホがいいのか?
別に琴吹のこと好きじゃないけど、少しやきもち。




「んー!"ふ・じ・わ・ら・き・ょ・う・す・け・こ・!"わからん!!」




一瞬ドキッとした。
それは琴吹も同じだったようで、目が合った。
なんていい感をしているんだろう。




「明日までに考えとく!絶対当てるからな!」




ただ、そこまで深くは考えられないようだ。
アホで安心した。




ただ、琴吹には悪いことをしたなと思う。