「お互いがごめんなさいって謝ればええんよ」




「謝る?けど、どっちも悪くないんよ?俺も、二人の気持ちはわかるし・・・」




有希お姉ちゃんは、俺に顔を近づけた。




「でもね?その住岡くんは高柳さんのことを怒らせちゃったんよね?それはどんな理由があっても謝らんといけんことじゃし、高柳さんは住岡くんを叩こうとしたんよね?それは高柳さんが悪いから謝らんといけんじゃろ?」




「うん」




「謝るのは当たり前のことって思うよね?
でも、自分ではこれが悪いことじゃってわかっとっても、なかなか謝れんのんよね。
たった一言、"ごめんなさい"っていうだけじゃけど、それを言うにはかなり勇気がいることなんよ。
でもね?それはめっちゃ大事なことなんよ」




当たり前のことだけど、大事なこと。




「じゃけえ、それを京ちゃんが助けてあげんさい。大島くんも集めて4人で。そしたらきっと仲直りできるはずよ」




有希お姉ちゃんに相談してよかった。




そうだよね。
プレーで活躍できないなら
せめて、チームワークだけでも
取り戻そう。




大会は、明日だ。