『えっ、だから大河君に諦めろって言えって…』 「そっそこ。お前は好きにならない方がいいって言ったろ?」 『きっ、聞いてたの?』 聞いていたことに驚きが隠せない。なんであたしが言った言葉を知ってるの? 「そりゃああんだけ大きい声で言えばこっからでも余裕だな」 『そっそうですか、でも諦めろと同じ感じだからいいじゃん』 「無理だな。あ、それとも襲われたい?」 目が大きくなる。 性悪王子は、あたしの耳に近寄ると舌を這わせた。 .