「まさか唯那が白紙で提出するとはな……」


「…………すいません。」


私はただ謝ることしか出来なかった。


「一応、これはクラス全員の紙だ。
皆がどんな感じに書いてるか、見てみろ。」


例として他の子の紙を見せてもらうと漠然と書いてる子もいれば、第一希望から第三希望までしっかり書いている子も居た。


「今回は真剣に考えなくていいって言ったろ?
それなのに、何もなかったのか?」


そう聞かれて私は首を縦に振るしか出来なかった。


「………唯那はさ、人の夢に着いていくことを止めて自分の夢を見つける為に日本に残ったんだろ?」


「………はい。」


「それなのに、何で白紙なんだ?
医療系とか、法律系とか、調理系とか方向性は見つからなかったのか?」


「……私、日本に残ればやりたいことが見つかると思ったんです。
言葉も文化も違う海外に行くよりも日本に居た方が何か見つかるんじゃないかって……
でも、こうして真面目に考えると訳が分からなくなってしまって………」