「コートに入ったら久しぶりに4人で打ち合いしようぜ。」
「それいいな。
チームを決めるのはじゃんけんな!」
「それ乗った!」
「じゃあ、負けた方は晩ご飯奢りで。」
「唯那、玉城部長にやってたこと俺らにやるんじゃねぇよ。」
「でも、そうでもしないとおもしろくないでしょ。」
「よし、決定だ!負けた方は勝った方に焼き肉奢りな!」
なんて話してるとコートまで辿り着く。
「あれ、やけに静かだな……」
「何かあったのか?」
普通なら聞こえる女の子達の黄色い声とボールの音が聞こえてくるはずなのに、今日は何故かしーんとしていた。
「どうしたんだろう。」
そう言って小走りでコートまで行くと、コートの真ん中に座り込むレギュラージャージを着た3人と制服のままでラケットを持った一人の男の子が突っ立っているのが見えた。
その周りでは他の部員と、女の子達がじっとコートを見ていた。

