「ほら、これ。」
そう言って菊池くんに渡されたのは私が転校するまでずっと着ていたレギュラージャージを渡してくれた。
「これ、ずっと置いててくれたの?」
「他にもあるぜ。
唯那のロッカーはそのままにしてあるからな。
中は何も手をつけてない。」
そう言って白石君が指差した先には私が転校する前に使っていたロッカー。
てっきり処分されてたと思ってたのに、中はそのままだった。
「唯那専用の更衣室もそのままだしな。」
それは部室の一角にあるカーテンスペース。
女子が私しかいないテニス部で私が唯一着替えられる場所だった。
「早く着替えてコートに行くぞ。」
「うん。」
レギュラージャージに着替え終わると3人と一緒にコートへ向かう。

