「西園寺がアメリカに行ったら、多分、私が想像するよりも立派な後継者になると思う。 でもね、着いていくままの私はきっと何も変わらない。」 「………………」 西園寺は泣きながらも必死に話す私をじっと見ている。 「きっと私は西園寺が辛い時に何もしてあげれない。 西園寺の気持ちも分からなければ、ただ足手まといの人間になってしまう。」 「そんなことねぇ。 俺は唯那が傍に居るだけで頑張れ………」 「傍に居るだけじゃ駄目なの!」 私の言葉を否定する西園寺の言葉に被せるように言葉を重ねる。