「私ね、きちんとお母さんに親孝行したいの。 お父さんには親不孝なことをしちゃったから、尚更思うの。」 「唯那…………」 「だから最初は西園寺の為にもやりたいことを見つけなきゃって思ってたけど、今は違う。 ちゃんと自分の為に、両親の為に頑張りたいの。」 そう言うと裕美は私を思いっきり抱きしめた。 「そういうとこ、唯那らしい。 頑張って。私、応援してるから。」 「ありがとう、裕美。」 それからは全国大会に向けた練習と、大学受験で忙しい毎日を送るようになった。