ポーン、とボールを蹴る音が響く。
校庭にはサッカー部と野球部が一緒に活動しているため、ただでさえ狭い校庭がより狭く見える。


私と悠輝の隣では、たくさんの女子がある一人の男子生徒に向かって黄色い声援をあげていた。その甲高い声にイラッときたが、ここで怒っても倦怠感が募るだけだと思いやめた。


黄色い声援をあげられている男子生徒は集中力切れたりしないのかな……。そんなことを思っていると、誰かがコートからこっちへ向かってきた。

「悠輝ー!!」


なんだ、悠輝の知り合いか。なんて思っていると、黄色い声援が彼に向けてかけられていることに気がついた。