「文菜ちゃん……?」 ふいに雨が当たらなくなった。 見上げると、黒髪に眼鏡をかけた生徒会長が、傘をさしてくれていた。 「…うっ……しょう…くんっ…?」 人を見たことで、私の涙はもう止まらなかった。 「……うっ………うわっ……ああああああっ………!」 「え、文菜ちゃん!?どうした?俺でよかったら話聞くから、泣かないで、ね!?」 翔くんの優しさは、こういうときには本当にありがたかった。