ゆいぽんと、らぶに置いていかれながらも、下駄箱で靴を履き替え、2人に追いつく。
教室へ向かう廊下に掲示されているものなんて、久しぶりに見る。
”歯肉炎の予防をしよう!”
”第14回大花火大会”
「ほぉ〜…」
花火大会なんて、家族としか行ったことがない。
「ななー!行くよー!」
掲示物に見とれていた私に、らぶが言う。
私と、らぶはクラスが同じ。5組。
ゆいぽんだけが、3組。
「よし。んじゃあお昼にね!」
「わかった!あ、今日はどっち?」
「えーっとねー、うちのクラス!3組!」
「了解!」
私達は、お昼、一緒にご飯を食べている。
「今日は、どっち?」とはお昼を食べる場所について。
お庭→私とらぶのクラス(5組)→保健室→ゆいぽんのクラス(3組)
という順番でローテーションしている。
騒がしい教室に入る。
みんな一斉に私を見る。
「大野!お前今日、はえーな!どーしたんだよ(笑)」
「悪いもんでも食ったのか?w」
笑いがどっと起きる。
「んもぅー!うるさいな!w朝早く起きて何が悪いの!w」
「大野らしくねーなw」
「本当だよな!やっぱりおかしいぜ、こいつ!(笑)」
クラスの男子が私が早く登校したことに異常に食いつく。
「もー(笑)やめて(笑)」
そういいながら席に着く。
ガラガラガラ…
「席につけー。朝の会始めるぞー。」
あの騒がしさが嘘のように静まってゆく。
「お!大野じゃねーか!お前にしては早いな!どーした、悪いものでも食ったか?」
先生まで…
「ま、いいか(笑)今後もそーして早く登校すんだぞ。いいな?」
先生がにっこり笑う。
「はーい」
「よし、気を取直していくぞ。今日の予定は…」
窓の外を眺める。
校庭の脇の花々に保健室の先生が水をあげてる。
その水が夏の眩しい光に反射し、キラキラしている。
あと少しで、1時間目の開始を告げるチャイムが鳴る....
