【短編】最低で最高のプロポーズ





思えば、この礼央という男は、昔からどこか人とズレていた。



ズレているというか、ただの変人なのかもしれない。




初デートのときも、いきなりピンク色の髪の毛で現れて、何食わぬ顔で歩きだすし。



「俺、猫アレルギーなんだよね」と言っていた一週間後に猫三匹飼いだすし。




あたしが、告白したときだって。



バレンタインに、サークルの先輩だった礼央にチョコを渡して告白したあたしに、「チョコ美味しかったら付き合うね」って。