「なっ…………なにそれ!?じゃあ何でアタシに好きだなんて言ったのっ!!」

予想外のことを言われ、立ち上がって叫ぶ
そして目の前で余裕そうな様子の友哉を睨み付け、手を大きく振り上げた



――――パシッ

「な………何でレイくんが止めるのっ!!」

ユイカの降り下ろした手は友哉に当たることはなく近くに座っていた零によって止められた


「……友哉……総長…手出すの許さない」

それだけ告げると彼女の手を強く握る


「んー、零。そろそろやめないとユイカの手がダメになっちゃうよ」

握られた手が彼の本気を物語っていて、思わず顔を真っ青にしたユイカを一瞥し、この時一番の笑みで友哉は言った


「……む、友哉が言うなら………ごめんねユイカ」

そっと離された手を見ると、そこは真っ赤に腫れ上がっていた

「かっ………帰るっ!!アタシもう無理っ!!」

痛む手を押さえながら出ていったユイカに友哉は目を向けることはなかった