Side Syunta
フジを連れてファミレスに来たものの、まさかこんなことになるなんて…
その上この人混みのせいでいつの間にかフジもいなくなってるし
俺らの場合、どこに行っても人が集まるけど、今回はいつもより多いなぁ
なんて考えてたその時だった
「………うるせぇ」
目の前のコイツ………凌雅の一言で店内の様子が変わった
普段俺らが騒いでいるときに言うのとは全く違って、今まで聞いたことがないような低い声
鳥肌と同時に何故か気持ちが高揚してきた
口許に手をあてるが笑みを抑えることができない
………やっぱ凌雅はすごいねぇ
気づけば俺らの周りにいた集団は青い顔で各々の席に向かっていく
ようやく俺らだけになったとき視界の隅に女の子二人と相席してるフジが見えた
うわーケータイやってて全く話を聞いてないよ…
そんな様子に気づかないあの二人がちょっと可哀想だな…
「フージそこにいたんだね」
