何だ?
………さっきからずっとすごい視線を感じると思えば、店員が注文を取りながらチラチラと俺を見ているようだ
器用ですね。俺には真似出来ませんよ
でも流石に見すぎじゃね?
「あの、俺に何か?」
「いっいえ!大丈夫ですっ!!えっとぉ…ごゆっくりどうぞ」
勢いよくお辞儀をしたかと思ったらすごい早さで厨房に向かって行った
小さな紙切れを俺の膝の上に置いて
「うわー…マジかよ」
さっき書いてたのって、もしかしてコレか……?
そっと紙を開くとそこにはメールアドレスと
「後で……連絡…ください……?」
「え?紫乃くん今、何か言った?」
「…な、何でもないです」
この事が二人に知られたら余計に面倒なことが増えそうだから適当に誤魔化す
が、どうやら納得がいかなかったらしい
だから、話を出来る限りしないように、俺はケータイを取り出した
あ、勿論登録なんてするつもりはない
「………ぇ、ねぇ紫乃くん!聞いてる?さっきのってもしかしてあの店員の……って、あれヤバくない?」
と、片方たしかレイカだっけ?
そのレイカが心配そうな表情で話すが、俺には関係ないから軽く返事をするだけ
「でも………紫乃くんがさっきいたテーブルにいる人だよ?」
その人ってもしかして凌雅さんか?
あの人数で集られたら、やっぱ無理だろ…
なんてケータイをいじりながらただ考えていると
その直後、店内の空気が一瞬で冷たくなった
加賀美凌雅という男によって
