突然声をかけられ、誰かと思い振り返る
「ヤバくない!?めっちゃレベル高いんですけど!」
「どうしよう!!レイカ!アタシ話しかけちゃったっ!!」
キャーキャー高い声で騒ぎだした二人に全くついていけない俺
………これはどうすればいいんだ
とりあえず面倒なことに巻き込まれてることだけは分かる
俺が対応に困っていると拒否しないことを良しと思ったのか、突然満面の笑みで俺の手を握ってきた
「ここ人多いじゃないですかぁ。良かったらアタシたちと相席しません?」
そして反論する暇もなくこの女子二人に引っ張られ別の席に座らされた
……おーいー、やっと皆の席に着いたのに
「アタシ前野レイカって言います!で、この子が篠原ユイでーす!」
何か厄介なやつに絡まれたな…
この二人は俺の自己紹介を目を輝かせて待っている
「えーっと…俺は藤咲紫乃です…」
「へぇ!紫乃くんっていうんだぁ!てか紫乃くんめっちゃイケメンだよねぇ」
「は、はぁ…そうなんですか」
「しかも無自覚なのぉ!?紫乃くん、それはヤバイって!」
会ったばっかのヤツにいきなり名前呼びとか俺はあんまり好きじゃないな
勝手に二人で盛り上がってる中、俺は未だに人の数が減らない席を眺めていた
