「うわ、すげー」
そんなにスピードは出てないが、過ぎ去っていく光がすごく綺麗
こんなに気持ち良かったっけ?
久し振りにバイクに乗ったから忘れてた…
自然と凌雅さんの背中を掴むのに力が入った
そんな俺の様子に微かに笑みを浮かべた凌雅さんの姿はヘルメットをしていた俺らは見ることはなかった
「――――――藤咲」
目的地までは時間はあまりかからず、気づけば凌雅さんはバイクから降りていて俺のことを見ていた
「あ、すんません。今降りますね」
ヘルメットを取り、凌雅さんに渡す
………あれ?ここって
「ファミレスですか?」
「うん、いつもは別のとこなんだけど今日は気分を変えてねー」
この人たち何となくすごいって感じてたけどこういうのは庶民的なんだな
「もうすぐ棗が来ると思うから………ってもう来たね。ほらあそこ」
