そうですか。俺が悪いわけじゃなかったんだね




あれ、そういえばここってどこの教室だ?
俺は教室の中を見回した

窓の近くにはでっかい机、たくさんの本、天井にはなぜかシャンデリア

今座ってるソファーにしても絶対高いやつだ
だってすげーふかふかしてるし


「あの、ここってどこなんですか」

やっぱり気になったから江口さんに聞いてみた

「ん~ここはね生徒会室だよ」
おいもしかしてコイツら、生徒会なのか?

こんな人たちがなれるとか、この学校は大丈夫なのかよ…



「なんかフジ誤解してるみたいだけど正確に言えば、“旧生徒会室”だね。
ほんとの生徒会室はここから離れたところにちゃんとあるよ」



「じゃあ何で江口さんたちはここに?」



「それは、俺と凌雅が入学したときにここ、奪っちゃったからね」


おいおいそれ笑顔で言うことじゃないだろ


とりあえずここは彼らの溜まり場…サボり場ってことか


ヨウに引っぱられ来たけど、俺にはもうここに居る必要はないし教室戻ろうかな


そう思い立ち上がる


「それじゃ、俺はもう戻るんで」
それだけを言って出口へ向かう








「紫乃、また来いよ」
誰の声なのかはわからないがそんな風に聞こえた気がする



「“また”なんてもうねぇよ」
俺の声はドアの閉まる音と重なり誰にも届かなかった