「そ、そういえばそうだったなっ!!わりぃ春汰たちには言い忘れてたな」
ヨウと目を合わせると俺の考えに気付いたのか話を繋げてくれた


「ふーん陽祐には幼なじみが二人いるんだね」
絶対コイツ納得してないな

でも葵っていう幼なじみは本当にいるんだよね

「二人ともいつまで立ってんの?ほら、フジも」
いつの間にか金髪さんの向かいにあるソファーに座っていた江口さんが手招きする
…そういえば俺金髪さんの名前知らないな

ソファーに近づくと江口さんは自分の隣を手で叩いた
そこに座れってことですか…別に気にしないけど
言われた通りにするとそれが嬉しかったのか横からの視線が半端ない

それを無視し、前を見ると目を閉じて寝ている様子の金髪さん
「あの………名前何ですか?」
やっぱり名前知らないと呼べないし、それよりも俺が気になるし


「うぇ!?紫乃、凌雅知らなかったの?」
へえ、凌雅っていうんだ

「先輩で知ってる人は江口さんだけだったし」
ちらりと江口さんの方を向くと、少し驚いたような顔をしていた

「江口さん?」
「あっううん何でもないよ。てか凌雅今寝てるから話しかけても意味ないかもね。あいつ寝るとしばらく起きないから」

寝てても綺麗な顔してるんだな…なんかすごい


じーっと見ていたことに気付いたのか急に凌雅さんは目を開いた

「凌雅めずらしーどしたの?」
俺の横にあるソファーに座るヨウが聞いた
「いや、別にいつもと違う感じがしただけだ」
それ絶対俺のせいだな



「でも嫌な感じではなかった」