……たとえば、平凡な私がわがクラスのイケメンボーイ・田所くんと付き合い始め、

隣に並んで歩くことになったとする。


すると、それを見た周囲は確実に騒然とするだろう……あまりにも私が田所くんに分不相応すぎて。


しかし、その相手が成瀬くんだったらどうだろう。


自惚れかもしれないけれど、平凡代表の私と中の上な成瀬くんなら――お似合いとまではいかないけれど――そこまで驚かれたりはしないと思う。


さらに、成績に関して見ても全教科完璧というわけでもなかったらしいところが(平凡女としては)逆にポイントが高い。


これが、『完璧超人』と名高い田所くんにでも恋をしていたら、あまりの点数差に劣等感を抱きまくること必至だっただろうから。


ちなみに成瀬くん、理数系は得意だけど現国は壊滅的なのだそうだ。


なぜ現国がダメなのか尋ねてみたところ、



『数学とかは確実に答えがあるからいいんだけど、国語って答えの基準がハッキリしてないものも多いでしょ。だから苦手』



だそうだ。


この時の作者の気持ちとか聞かれても、俺は作者じゃないから分からないし……

と言って難しそうに眉を寄せたその時の成瀬くんは、普段の真面目そうな雰囲気とは違ってとても可愛らしく感じられた。


閑話休題。