「……なるほど、玉砕直後の傷ついた心(ブロークンハート)につけ込む作戦ですねわかります」


「おう……って、えぇ!?な、なんでそんな捻くれた考え方になるんだ!?」


「いやー、こんな平凡女に『王子(笑)』が執着する理由といえば『惚れさせておいてヤる』作戦にしか聞こえないわけで」


「偏見がひどすぎる!?そんな事考えてないって!っていうか、その『王子(笑)』ってなに!?」



「あれ、知らないの?田所くんのあだ名の一つだよ」



「俺に、そんな恥ずかしいあだ名が付いていたなんて……!」



「まぁ嘘だけど」「嘘なのかよ!」



思わずといった様子でツッコミを入れる田所くんを見て、私は耐え切れずに噴き出してしまった。


そしてそのまま、なにが面白いのか二人そろって笑い転げてしまう。


さっきまでの私なら、田所くんとこんな風に笑いあえるなんて信じられなかっただろう。