迷惑だったかな……



でも桜坂くんは、そうか、と言ってまたシャボン玉を吹き始めた。


……と言うことは、そんなに迷惑でもないってことだよね。



よかった……




………よかった?


うん?なんであたしそんなこと思ってるんだろう?



……ダメだ。深く考えたら頭が沸騰しそう。


ただでさえ暑いのに。



あたしは熱を冷ますように空を見上げた。



………なんか



「ソーダみたい」



青い空にぷかぷか浮かぶシャボン。


うん。ソーダ水だ。



「なんだソレ」


「えー?ソーダ水に見えてこないかな?」


「ソーダ水には白い雲はないと思うけど」



むむ……



「じゃあ……クリームソーダみたい」


「じゃあってなんだよ」


「クリームソーダならアイスクリーム浮いてるでしょ?」



白い雲があっても違和感なし。


えへん、と少し胸を張ってみる。



「お前、ヘンだな」



ククッ、と無邪気に笑う桜坂くんにドキン、と胸が音をたてた。


な、なんだろう、今の音……



「どうした?顔赤いけど」


「え、な、なんでもないよ!?」



ぶんぶんと手を振ってあたしは立ち上がった。


うわぁ、今絶対不自然だったよね。


そのまま座るのもなんだか憚られて、あたしは日向の方へ行く。


夏の日差しのせいか、一瞬目の前が白くなる。


と思ったら次の瞬間黒くなって体から力が抜けた。



「宗田!」


「え……?」


「大丈夫か?」


「う、ん……」



何が、起こったの?


あたし、なんで桜坂くんに抱きしめられてるの?


状況についていけなくて頭の中は真っ白。



「いきなり立ち上がるから貧血でも起こしたんだろ……」



さ、さいですか……