……でもさ、あたしはそれをいつものようにくらっているわけですよ?
「あたしがいつも大丈夫なんで、先生もきっと大丈夫ですよ」
あはは、とあたしが笑って返すと、先生のこめかみの青筋がぴくっ、と動いた。
あ……終わったな、あたし。
「ほぉ……自分のしたことが分かっていないのか。
お前には特別に個別授業が必要なようだな」
気味が悪いぐらいにっこりとした先生がそう言った。
それからは個別授業…というか、普通の授業そっちのけであたしへの説教が始まった。
しかも全員の前で。
その間、みんなはあたしを見て笑うやらなんやら……
ちらりと目線を向けてみれば、普段、教室では滅多に反応しない桜坂くんの肩も微かに震えていた。
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と、いうわけです。
「もぉー、恥ずかしいぃ……」
ゴロンとあたしは寝転がった。
あれは人生の中でトップ3に入るぐらい恥ずかしいことだよ……
じわりと頬が熱くなるのが分かった。
「悪かったって。笑いすぎたよ」
そう言いながら心の中で笑ってるくせに……
寝転んだままじとっとした視線を桜坂くんに向けると、桜坂くんはあたしから視線を外した。
その肩が震えているのは見間違いじゃないと思う。
「もう知らないもん」
あたしは小さく呟いて真っ青な空を見上げた。
知らない知らない……桜坂くんのばか。
あたしがどれだけ恥ずかしかったか……
それでも(真琴曰く)単純なあたしは空を見上げている間にそんなことを忘れてしまった。
いや、忘れてはないけど……どうでもよくなったというか……
よくあるあれだよ、あれ。
そのー…空が凄すぎて自分の悩みがちっぽけに感じるってあれだよ。