午前中の最後の授業が終わり、あたしは真琴に今日は一緒にお昼を食べられないことを伝える。
真琴は意外にもあっさり分かった、と言って他のグループに行った。
……うん、さすが真琴さん。
少しも気にせず行ったね。
あい変わらずのドライ感だ。
まぁ、今は聞かれても答えられないと思うし、よかったかな。
あたしは教室を出て、一度、自動販売機のところへ行く。
この学校ってクーラーないくせに、何故か自動販売機はあるんだよね。
うーん……不思議だ。
無難にお茶を二つ買って、あたしは屋上に向かった。
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「ふぅー……」
深呼吸、深呼吸……
騒ぐ心臓を落ちつかせながら、そっと扉を開く。
こ、この心臓が騒いでいるのは、階段を勢いよく上がってきたからだからね?
決して桜坂くんと会うのに緊張しているから、とかじゃなくて……
って、誰に言ってるんだろう、あたし。
「こ、こんにちはー…」
そろそろと頭だけを出して屋上を覗いてみる。
「……あら?」
いない。
桜坂くんが、いない。
いつもはここの壁に寄りかかって座っているのに。
「……なーんだ。いないじゃん」
ほっとしたような残念なような……
「何がいないんだ?」
「ぅひゃあっ!!」
ばっと振り返ると、驚いたような顔をした桜坂くんがあたしを見ていた。
「ぅひゃあって……」
はっ!つ、つい驚いてヘンな声が……
「ご、ごめん!ちょっと驚いちゃって……」
桜坂くん、笑ってるし……
うわぁ…かなり恥ずかしい。
顔が熱いよ……


