「なっ、何にも言ってないよお母さん。で、なんだっけ?お母さんなんて言ってたっけ!?」
『43歳って言ったんだよオバさん』という顔でギロッと母を睨みつける真澄と、それを読み取ったのかギロリと睨みかえす母の間に真咲がずいっと入りこんで話を戻す。
だけど、戻さないほうが良いと思う。
「じゃぁ何!!まさ、あんたにはなんかコイバナないの!!なんか!!」
「おっ、お母さんなんでそんなに怒って言うのさぁ…」
「あ~、湿っぽい男。ワンコの顔もあたしにゃぁ効かないよ!」
「真咲は同じクラスのミユちゃんと仲良しだよなぁ」
「ま、真澄っ!?いやいやいや、それ絶対誤解生んじゃうって…ほらぁ、お母さんの顔ぉ…」
「ふぅ~ん、今度の授業参観で見とくか…ミユちゃん。」
「ねぇ?お姉ちゃんはなんか無いの?」
「「ぶばっ!!」」
真咲の言葉に、あたしと真澄が吹く。
今まで何事もなく、何も言わず、参加せず、ひたすらに朝食を食べていたあたしの努力って何なの。
あと目玉焼き一切れで逃げれたのに、こんちくしょう。
オレンジジュースを無視しておけばよかったか。
…というか、なんで真澄吹いた。
「ははははははは!!!あははははは!!!!」
…爆笑の方の吹きか。


