「う、運命…ってなんですか!?」
そもそも天使の存在こそがおかしいんだけど、それはもう信じちゃったからどうでもいい。
だけども、そんな変な存在の天使と運命で結ばれるというのは結構な問題だ。
「鏡はありますか?」
天使がにこっ、て笑う。
あたしはそこらへんにあった手鏡をあわわと手に取り渡した。
「ほら、見てください」
天使の後ろから、覗き込むように鏡を見た。
「……は!?」
本来ならあたしは、天使に隠れて顔が半分見えないはずだ。
なのにあたしの姿がくっきりとうつっている。
まるで天使がそこに…いないように…。
「本来私は、人には見えない存在なんです」
今、あたしの頭に浮かんだ「まさか」な事をを天使が口に出した。
…まぁ天使なんて普通、見えないものだろう…。
でも、…じゃぁ…。
「なっ、なんであたしには見えてるわけ!?」
「だから、運命なんですってば」
そういってまた、天使はにこって笑う。
天使の笑顔は、なんというか、破壊力というか…なんか怖い。


