「どっ、どうする?真弓?」
入っちゃいけない感じの雰囲気に、京がおどおどマックスになっている。
京って、ウブだぁ。
その時だった。
「ちょっとそこっ、どきなさいよっ!」
後ろから女の声がして、あたしたちはずびっとどいた。
突如現れたその女はドアを吹っ飛ばす勢いでドアを開いた。
「なっ、ナオミ!?」
「コウスケ!!あんたねぇ、最近あやしいとおもったらっ」
「…こっ、コウ?どういうこと?」
「あっ、いやっ、そのっ、アヤナ…」
「コウスケはあたしの彼氏よ。もう10カ月前から付き合ってるのよ!あんたなんて所詮、浮気相手よっ。あらら残念な『アヤナ』ちゃんっ」
「あっ、あたしも10カ月前からコウと付き合ってます!っていうかコウッ、どういうことなの?」
「え…、あ……、う…」
「答えなさいよコウスケ!!」
「答えてよっ、コウ!!!」
まぁ、なんと愉快な修羅場なんでしょう。
「京~、どっかほかのとこいこっかっ♪」
「もぉ、真弓ったらこういうのですぅぐテンションあがっちゃうの、よくないよ?」
「いいのいいの♪あ~、リア充の不幸は蜜の味!!バリ美味ぇ!!」
今日はいい一日になりそうだ。
――――――実際、いい一日になるかどうかはずぅっと後に分かるのだけど。
少なくとも、運命が動くのは今日であった。