兄妹愛の境界線




葵は私が貸したクシを使って

少しずつ私の髪をといていく




「しっかし澪の髪の毛って

昔からほんっと細いよな~」



「うんっ、朝すごい絡まって大変…」



「つーかさ、小さい頃もこうやって

俺が澪の髪、よく結ってやってたよな」



「なんだか懐かしいねっ」





私が小さい頃、よく葵は

私の髪を結んでくれた


不器用な私と違って

葵は細かい作業や手先を使う作業が

昔から得意だった