次の日、私と葵は

お兄ちゃんを見送りに空港へと来ていた




「おーい!なつ兄~!」




少し遠くにキャリーバッグをもって

腕時計を眺めるお兄ちゃんがいた


葵の声に気づいたのか

徐々に私たちの元へと歩いてくる


思わず顔がこわばってしまって

足もすくんでしまう



「澪っ、笑顔笑顔っ」



そう言いながら葵が変な顔をしてみせる



「変な顔っ!」



「そうそう、澪はそうやって笑ってろ。な?」



「うんっ!」