その後ろ姿を見て、わたしは咄嗟に呼び止めた。 「愁っ!」 ピタッと止まる愁。 そして、ゆっくりとわたしのほうを振り返ってどうした?と首をかしげた。 まだ少し熱を持っている頬を見られるのが恥ずかしくて俯きたいけど。 「あ、ありがとう…っ」 これだけは、真っ直ぐ目を見て言いたかった。 だって、わたしをおんぶして、荷物まで持って歩くのはかなり負担になってたと思うから。 そんなわたしを見て、少しだけ目を見開いた愁。