「お前、バカ?その足で歩いて帰るなんて無理に決まってんだろ」
ば、バカ…!?
「確かにあんたよりは、頭悪いと思うけど…!」
ここで、あんたに言われたくない!と言い返したいところだけど、悔しいがこの男は何もかもがパーフェクトなのだ。
「ぐちぐち言ってないで、乗れ。帰んぞ」
「へっ?」
"乗れ"ってなに?
ぶつぶつと文句を言っていたわたしに向けて言われた言葉に、何とも間抜けな声を出してしまった。
そんなわたしを見て、はぁ。と溜息をついてから、
「おぶって帰るから背中に乗れっつってんの」
ぶっきらぼうにそう言った愁。