「ごめんなさい、付き合えません…」



ぺこっと頭を下げて彼に背を向けようとした時


「どうしても無理?」


切なそうな表情の彼に手をぎゅっと握られてしまった。



「諦め悪いな〜」


周りの人たちのそんな声が聞こえる。


「無理です、 離して――…」


「あのさぁ、梨加は俺の彼女だから触らないでくれるかな?」


後ろからぎゅっと抱きしめられたかと思えば
そんな声が聞こえてきて。


「キャーーーー!!!」


耳をつんざくような女子の声も同時に
聞こえてきた。