「だから、わたしは伊沢愁になんか惚れるわけないって言ってるでしょ!?」



身体をぐっとよじって、手でパシパシと
伊沢愁の腕を叩く。


そんなわたしの手をパシッと掴んでぐっと
自分のほうへ引き寄せた。



「ちょ、」


さっきまで支えていただけだったのに、
今はぴったりと密着している。


――抱きしめられてる。