「はぁはぁ……っ」




全速力で廊下を走る。




廊下は走るなー!と先生に怒鳴られたって、今は止まるわけにはいかない。





さっき、佑樹くんに言われた言葉が本当なら、
わたしは、わたしは。






『愁はね、梨加ちゃんのこと、ずっと。
今でも1番に思ってるよ』



『え?』



『愁が倒れたのは、梨加ちゃんにもう一度、今度はGAMEなんかじゃなくて、ちゃんと自分の気持ちを伝えるために、指輪プレゼントするって毎日遅くまでバイトしてたからなんだよ。
だから――、』





――梨加ちゃんじゃなくちゃ、ダメなんだよ。